アイデアは資本に優先する

アイデアは資本に優先する ~本田宗一郎の言葉より

アイデアは資本に優先する

アイデアは資本に優先する

『アイデアは資本に優先する』というのは、HONDAの創業者、本田宗一郎の言葉です。

たとえ十分な資本がなくても、設備や技術が不足しても、優れたアイデアはあらゆる障壁を超克して、世界を変えるという教えです。

もちろん、アイデアが優れているだけでは話になりません。

何が何でもそのアイデアを形にするのだ、という強い意思があってはじめて、不可能も可能になります。

ある意味、強い意思と情熱は、アイデアや資本にも優先する……といっても過言ではないでしょうね。

漠然と世の中を変えたい、いいものを作りたいと願っても、手足を動かさないことには形になりません。

また、手足を動かしたところで、必ずしも上手くいくとは限りません。

それでも、どんなことをしても、成し遂げようという気持ち。

そこに創意工夫が加わって、優れた事業として結実するのでしょう。

どん底から這い上がってきた本田宗一郎だからこそ、説得力のある言葉です。

本田宗一郎と愛される企業

私の学生時代には本田さんもご存命でしたから、新聞のインタビュー記事やメディアでリアルな声を聞く機会も多かったです。

世界のHONDA。

敗戦後の混乱から立ちあがった鉄の人であり、チャレンジャーですね。

本田宗一郎 「一日一話」より 得手に帆を上げて』にも紹介していますが、とことん自分の理想を追求したモーターオタクでもあったと認識しています。

『アイデアは資本に優先する』と同じくらい好きなのが、『企業は製品が全て』という言葉。

理念がどう、経営方針がどう、つべこべ説明しなくても、製品を一目見れば企業の全てが分かる……というのが、HONDAの真髄でした。

今に喩えれば、iMac や iPhone がそうですね。

食品なら、ガリガリ君とか、カルビーとか。

企業がつべこべ説明しなければ伝わらない製品というのは、一見、素晴らしいように見えて、魅力に乏しいのかもしれません。

世の中には、Appleキチガイ、KAWASAKI狂い、みたいな人がいて、そのメーカーしか買わないユーザーも少なくないですが、よくよく話を聞いてみれば、性能うんぬん以前に、存在感とか、コンセプトとか、直感で惹かれて、まるで異性に恋するが如くですよ。うちの隣人も、外国の方ながら、「車はHONDAしか買わない」というHONDAの信奉者ですし(ありがとうございまーす)。

でも、本当は、そういうのが企業にとって一番幸せなのかもしれませんね。

一位でなくても、万年中堅でも。

本田宗一郎氏の思い出

若い人に本田宗一郎の話をしてもピンとこないだろうし、「彼の経営哲学が昭和の時代に合っていただけ。現代は違う」という人もあるけれど、一つだけ確かのは、本田氏は現代に生きても何かを成しただろうということ。

時代がどう変わろうと、何かを成し遂げる人の考え方は大体共通していて、それゆえに、脈々と受け継がれる名著なんてものが存在するのだ。

役に立たない考え方は一時代で終わるベストセラーと同じ、乗って、売れても、長続きはしない。

永久不変の巨人のように思えるグローバル企業も、世界情勢やユーザーの価値観の変化に揉まれて汲々としているところを見ると、最後に問われる点は、理念とか、良心とか、実に単純な話ではなかろうか。

庶民を出し抜いて、上手くやったとほくそ笑んでいる間に、やってはならない一線を越えて、一斉にNOを突きつけられる某ネットサービスみたいに。

方針に困ったら、原点に立ち返るのが一番いい。

いわゆる、商人魂というもの。

結局、正しいものが、細く、長く、変わらず続く。

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このパートは海洋小説『曙光』(第一章・運命と意思)の抜粋です。詳しくは作品概要をご参照下さい。

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