運命はそれ自体に意味はない

運命はそれ自体に意味はない 意思が働いて初めて意味のある何かになる 

運命はそれ自体に意味はない

運命には予告など無いもの。いつも突然訪れて、跡形もなく去って行く。

多くの人は、それが利運とさえ気付かず、後ろに逃してしまうもの。

幸運はガラスの馬車に乗ってやって来ると思い込み、痛みの妖精が抱えた幸せの種には見向きもしないからよ。

実際、運命ほど不可思議で、強力なものはないと思うわ。

この世の全ては、見えない糸で織り上げられた一つの物語のよう。

その中で、一人一人の存在など片糸ほどの意味もないかもしれない。

かといって、運命が全てを支配するわけじゃない。

運命がどんなシナリオを描こうと、意思が動かなければ何の形も成さないわ。

運命は、それ自体に意味はないの。

そこに意思が働いて初めて、意味のある何かになるのよ。

あの人が栄光を掴んだとしても、それは幸運ではなく意思の勝利よ。

運命のお膳立ては、決して本人の目には見えないのだから

第六章『断崖』の下書き

『フォルトゥナの娘』と呼ばれるリズは、不利な条件で海洋都市の改善を訴える恋人のヴァルターに幸運の風を吹かせるべく、プレゼンテーションの機会を設けます。

もちろん、プレゼンテーションに挑んだからといって、必ず勝利するとは限りません。

しかし、何もしなければ、無はいつまでたっても『無』のままです。

何かしようとする意思の力が働いて初めて、幸運は幸運の意味を持つのです。

幸運を当てにしても、物事は変わりません。

また意思の力だけでは、どうにもならないこともあります。

では、運と意思とどちらが強いのか……といえば、結果的には、意思の力が勝ると思います。

意思なくして運は立たず、運に手足は無いからです。

全ての人に幸運が輝くとは限りません。

しかし、意思なき人生は、もっと空しいものです。

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海洋小説『曙光』MORGENROOD

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